山梨県「自然監視員」に、山梨県知事より任命された。

フクロウの保護活動の一環として、
毎年11月下旬より、翌年6月初旬まで、約半年強、
パトロールと題して、清里高原の山梨県と長野県の
県境まで朝・夕と巡廻してる。
もちろん主たる目的は、撮影であるが、営巣してる
地域の密猟者・不法投棄から自然を守るのも目的だ。
前シーズンで一番驚いたのは、営巣してる場所から
100m程離れた場所にブラインドボックスを設置し、
昔取った杵柄の偽装を施し、完全に森と同化して日没
頃に中に潜んで、観察&撮影をしていたら、ブラインド
の後ろに人の気配を感じた。ヒソヒソと

「居た!いた!チャンス!」

とか抜かしてる。私の存在には丸っきり気が付いてない。
辺りが暗く成りだした頃。密猟者だ。
作業着を着て、皮手袋をしてる。相手は2人。

余談だか、私は元、陸上自衛隊のレインジャー部隊に
所属していた。森の中のゲリラ活動は昔、嫌ってほど
体に叩き込まれて、30年経った今でも充分にスイッチが
入る。いわゆる・・・・・プロである。

銃はない。ナイフも持たない。有るのは熊除けスプレー
のみ。まずは風の方向を知らべ、風上に位置するのが
原則。熊除けスプレーの主成分は唐辛子エキス。
熊の目に向けて噴射して、相手の動きを封じる。
ただ・・・・・熊除けスプレーの実戦は経験がない。
もちろん、実弾での実戦の無いのだから、実際はプロと言う
表現も間違いなのは確かだ。

緊張と緊迫する私。全然予期していない密猟者。

風上にまわり込もうと、ブラインドから出た瞬間・・・・・
2人組の一人が、奇妙な奇声を上げて座り込んだ。
一人は若いらしく、暗闇の森を足を木の根に引っかけ
転がりながら闇に消えて行った。
腰を抜かした男に近づくも・・・・ヒイヒイ言いながらモガク。

私を・・・・・熊?デイダラボッチ?妖怪?だと思ったのか?

熊除けスプレーを向ける。
人は、脅かす気がなく、自分の意に沿わない勢いで予定行動が
現実化すると、かえってこちらの方が引いてしまい、敬語で、
「大丈夫ですか?」と聞く。
腰を抜かした男は懐中電灯に浮かびだすと、60代前半にみえた。
「大丈夫か?」と聞き直す。
無言である。その間色々と話すが、あまりの恐怖に、沈黙と
おそらく初犯で後悔ばかりしたのだろう。
逃げた男の行方は判らない。
肩を貸して、登山道まで出る。「土浦」ナンバーの車が森の中に
止まっていた。その場で連絡と思うが、携帯の電波が来てない
ので、注意してお解き離し。
私も、国定公園の中で、密漁はしては居ないが、レンジャーから
見れば、同じに見えるはず。なんの権利も利害のないのだ。

パトロールの際にたまにすれ違うレンジャーの車を呼び止め
この話をした。ついでにフクロウの保護活動をしていて、写真を
撮っていて、元陸自のレンジャー隊員だったことを。
そしたら、連絡先を聞かれたので、表が「写真家」。裏が
「Barのオーナー」のアンバランスな名刺を差し出した。
数日後、山梨県自然監視員の申請書が送られてきて、書き込み
県庁の出先機関に提出したら・・・・・研修会の日程が知らされた。

釣り人が被る様な、ダサい帽子。
オレンジ色の腕章。
子供の生徒手帳の様な緑色の手帳。
知事からの辞令。

が送られてきた。いかにも!って感じのダサいセット。

私は、グリンベレーが被るベレー帽に「山梨県自然監視員」の
刺繍をした帽子。

迷彩に黄色い刺繍の物。

アメ横に行って、米軍の払下げ用品店で見つけた黒い革の
手帳に適当なバッチを付けて、これをテレビドラマで見た刑事
の様に、チラ見させて・・・・・「自然監視員だ!」とかカッチョよく
出したいな(笑)。山梨県知事から頂いた「辞令」を額に入れ
壁に貼り、敬礼してしてから、今日もパトロールに出発だ!

がんばれ!嶽堂。山梨県の自然を守れ!

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